大多数の道路トンネルには、緊急レーンが設置されていない。このため、道路混雑時や、故障車両やそのほかの問題で運転者が車を停車させなければならなくなった場合、渋滞が起きる可能性がある。ドイツとフランスのある統計では、緊急レーンのあるトンネルの方が緊急レーンのないトンネルよりも安全であるとしている。 ("技術レポート2008R17:“利用者に関する人為的な要因と道路トンネルの安全性”を参照のこと。)
待避所があることにより、トンネル内で車道を塞がずに車を停車させ、交通防害や衝突の危険性を低減させる事が出来る。たとえば非常電話を使用する場合等、待避所内では人はより安全に車から降りることが出来る。交通からの退避は特に身体障害者にとって有益である。待避所はトンネルの維持管理のためにも非常に重要であり、保守車両の安全な駐車場を確保することが出来る。
待避所間の距離は、トンネルにより異なる。 いくつかの国のガイドラインでは、これらの距離は 技術レポート1995 05.04.B"トンネル内の道路の安全性“で規定している道路区分 によって決められている。 レポートは、待避所の利用率が一般的に低いと指摘している。 待避所があるトンネルでは、故障車両の20%程度しか待避所で停止しておらず、これを改善するための勧告が出ている。
長 いトンネルでは、車をUターンする設備や、車が隣接するトンネルに入れる設備が備えられている。 これらは、維持管理や事故時における緊急車両の移動に有効で、また事故発生時の交通管理にも役に立つ。 車のUターン専用の設備を設けている国もある。これは通常の乗用車やバンは標準の待避所で容易に回転できるが、大型のトラックやバスを考慮し、大きいスペースが必要となる。 これらの回転場は、通常4m X 17m以上である (技術レポート1999 05.05.B "道路トンネルにおける火災と煙の制御"を参照のこと )。回転場を設置する場合、1〜2キロの間隔で配置する必要がある。