道路トンネルのマニュアル

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5.1. 外気の品質に関するトンネルの影響

道路トンネルの分野では、空気品質はトンネル内の自動車排出ガスの濃度のレベルに関して従来から考えられている。しかしながら、トンネル外の汚染物質の濃度は人々へ有害または悩ませる可能性がある。そのような汚染物濃度は、速度や風向、近隣の地形のような複雑なメカニズムに従って坑口または排気立坑から周辺環境へ急速に減少する。それゆえに、交通密度が増加した場合や都市の環境下に建設される場合には、トンネル坑口近傍またはその他の排気ポイントの空気品質に関心を払うと認識されている。

トンネル上方において、空気品質は、同じ場所にオープンエアー道路区間(明かり部)が位置づけられた場合よりも、良くなると予想される。しかしながら坑口と立坑では、交通のピストン作用と換気システムの両方または一方によって縦流または横流の気流が送りだされる際、汚染空気が放出される。バックグランド濃度やトンネル坑口または立坑に近接して位置するその他の発生源によっては、汚染物の濃度レベルは機関によって設定された最大レベルを超える可能性がある。その場合、トンネル近傍の空気品質を改善するための対策を取らなければならない。対策は、土木工事または機械工事、トンネル周辺で使用される土地計画などが挙げられる。換気指針の変更のような運用方法に基づく汚染濃度の減少は多くの場合で可能と思われる。

PIARCは、トンネルに関連した外気の空気品質に着目した技術レポート2008 R04"道路トンネル:環境に影響を与える大気質の最適化へのガイド"を発行したが、乗用車からの排出物を変更することおよびトンネル周囲の空間内におけるそれらの空間的分布を変えることによって、都市環境へ拡張するためのガイドでもある。トンネルの最適なロケーションの選定から、勾配、換気方式、排気管理、交通管理、トンネル維持管理さらには汚染物質除去技術(もし、さらに有益であれば)まで、ガイドは外気へのトンネルの影響を緩和するための幅広い範囲の設計や運用上有利な条件を考慮している。

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