道路トンネルのマニュアル

現在地

3.2. オペレーター

図3.2-1:道路トンネル管制所

用語「オペレーター」とは、トンネルを所有する代表組織であり、トンネルの管理に責任がある組織をいう。トンネルの安全に関する中核的な立場にある「オペレーター」は、関連する諸団体(所有者、公共団体、緊急隊、下請業者、その他の管理者、道路利用者など)と密接な連携のもとで機能を果たすものである。「オペレーター」の主たる役割は、道路交通、土木施設およびトンネル設備をうまく運用管理することであり、以って、課せられた使命のもとで危機や行政事務をマネジメントすることである。「オペレーター」は、トンネル安全のマネジメントシステムを最適に実施することについて、重大な役割を担っている。

安全マネジメントシステムは、設計時の検討に取り込まれていること(リスク分析を含む)、運用の原則を明確にしていること、トンネルの運用(事故のマネジメント、安全訓練の実施、経験のフィードバック、運用マニュアルの更新、担当職員の訓練、関連する他機関との協働、等)を日監視することを忘れないことによって実証される。

「オペレーター」に関しては、既刊のレポート2008R03”道路トンネルにおけるオペレーターと緊急隊との協働に関するマネジメント“の中で、以下の点について強調している。

一般論として言えば、経験や実際の事故から学んだ教訓によると、トンネルの運用に係わっているすべての関係者の行動が、事故に遭遇した人々の安全確保に対して支配的な要因となっていることを示している。

この点に関する主要な課題の1つは、トンネルの監視、管制を担当している管理職員が適切に対応することである。彼らは、道路トンネルの危機管理に対して真っ先に取り組むべき立場にあり、それ故に、日々のトンネルのマネジメントにおいて、「オペレーター」を代行して相当の責任を負っている。彼らの務めが大変困難であるのは、発生確率が極めて少ない場合であっても、可能性が少しでもありうる極めて重大な事故に対して常に対応できるようにしておくことが要求されていることである。適切な方法で対応するために、トンネルの「オぺレータ-」は、時にはストレスマネジメントを思わせるような複雑な状況を理解し、管理しなければならない。このため、特殊で適切な訓練が不可欠である。ヨーロッパの規則では、トンネルの管理に携わる職員には、「適切な初期訓練および継続的な訓練」を受けることを要求している(欧州指令2004/54/CE 附則1の§3.1”管理運用方法”)。

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