Manuel des tunnels routiers

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2.3. 過去のトンネル事故からの経験

トンネル内事故に関する情報と過去の教訓はPIARC委員会の様々な報告書に述べられてきている。初期の報告書では、選択されたトンネルにおける故障、事故及び火災の統計調査、並びにこれら事象に対するトンネルの構造設計、設備設計や管理のガイドラインに関する教訓が取り扱われている。すなわち、トンネル設計における意思決定者及び技術者にとって非常に重要な集約データを示している。

モンブラントンネル、タウエルントンネル及びゴットハルトトンネルの事故(1999年と2001年)は、トンネル内事故の影響の大きさを世に知らしめるものであった。トンネル内事故が大事象となる可能性は低いが、ひとたび発生すれば犠牲者やトンネル損傷ひいては輸送経済に深刻な影響を与えることになる。

表 2.3-1: 1950年以降5人以上死亡者(火災もしくは火災前の事故により)を生じた道路トンネルの火災
トンネル名 長さ チューブ数 死傷者
1978 フェルセン(オランダ) 770 m 2 5人死亡、5人負傷
1979 日本坂(日本) 2 km 2 7人死亡、2人負傷
1982 カルデコット(米国) 1,1 km 3 7人死亡、2人負傷
1983 ピコリエ(ジェノバ付近、イタリア) 660 m 2 9人死亡、22人負傷
1988 境(日本) 460 m 2 5人死亡、5人負傷
1996 イゾラデッレフェミン(イタリア) 148 m 2 5人死亡、20人負傷
1999 モンブラン(フランス-イタリア) 11,6 km 1 39人死亡
1999 タウエルン(オーストリア) 6,4 km 1 12人死亡、40人負傷
2001 グレイナム(オーストリア) 8,3 km 1 5人死亡、4人負傷
2001 ゴットハルト(スイス) 16,9 km 1 11人死亡
2006 ビアマラトンネル(スイス) 750 m 1 9人死亡、6人負傷

より詳細な表は レポート05.16.B.の表2.1"道路トンネルにおける深刻な火災事故"に記載されている。

これら惨事は、トンネル事故を予防、防止するとともに最小限とする必要性を示している。これは、新設トンネルへの安全設計基準の適用だけでなく、より良い情報提供やトンネル利用者との情報提供収集による既設トンネルへの効果的管理やトンネル改良により達成される。 モンブラントンネル火災後の調査結果から導かれた結論は、この致命的な結果が次の要素で大幅に軽減されたかもしれないというものである。

  • より効果的な運用組織と緊急隊(調整されたより安全かつ効率的な非常時の手順、特に国境間の運用)
  • より管理能力の高い人材
  • より効果的な安全システム
  • 非常時にいかに対応すべきかについて、道路利用者(乗用車やトラックの運転手)がよく理解している

モンブラントンネル、タウエルントンネル及びゴットハルトトンネルに関するトンネル諸元や事故の時系列、火災の進行やオペレーター、緊急隊及び道路利用者の行動を含む事故詳細は事故の教訓とともに、レポート05.16Bの第3章“最近の火災からの教訓”に記述されている。この教訓については本紙の表3.5にも要約されている。また、同様な情報はRoute /Roads 324“モンブラントンネル、タウエルントンネル及びゴットハルトトンネル火災の比較分析”(2004年10月)P24に記載されている。

1999年3月24日の事故後、モンブラントンネルはトンネル再供用に向けて大幅な改修が必要となった。換気システム見直しは大幅な復旧設計、規模見直し、自動運転化さらには実大規模の火災実験からなり、それらは、レポート5.16Bの付録12.2“モンブラントンネル改修”で参照できる。

高速道路トンネルの交通安全性と一般道トンネルとの安全比較および対面通行トンネルと一方通行トンネルの安全性比較にはレポート2009年R08の付録8 “2005年オ―ストリア統計的研究:トンネル安全性の比較分析 1999~2003年”を参照。

Références

No reference sources found.