道路トンネルのマニュアル
トンネルの一生は,以下のような主要な段階に任意に分類することができる.
設計は新設トンネルの一生において最も重要な段階であり,建設や運用にかかるコスト,安全性,技術的・財政的リスクマネジメントの観点で決定的な段階である.
この段階では,トンネルを構成する「複雑なシステム」の全てのインターフェースを横断的に統合することが必要であるが,
残念ながらそれが行われているケースは希であり,多くの場合,独立していると見なされている各段階を繋げたものがトンネルの設計となっていることは経験的に明らかである.皮肉なことであるが,以下のことに言及することができる:
土木に関しては,技術的なリスク(特に地質的なもの)や,工費・工期に関する事柄全てをマネジメントすることが,最も重要である.
施工時のリスクマネジメントに関することは,設計段階から考慮する必要がある.これらの検討事項は,詳細に記述し,トンネルの所有者と共有されなければならない.また,リスクに関する決定事項は,文書で明示されなければならない.
ある程度のリスクを負担するという決定は必ずしも間違いではなく,禁止されているものでもない.なぜなら,例えば過密な工程において,全ての不確定要素を取り除くために必要とされる全ての調査を行うことは現実的ではないからである.
しかしながら,リスク負担の決定以下の事項を熟考した上で行わなければならない.
リスクを負担することは,様々な当事者における不注意や能力不足の結果であってはならない.
運用施設に関しては,読者の関心は以下のものにある.
"トンネルの一生"におけるこの段階は,過小評価されるとともに,遅れて考慮されることが多い.この段階は時間を要するが,そうと認められることはあまりなく,不十分な条件下での試運転となるか,安全面で無防備な条件下での試運転となりがちである.
この段階では,以下のものが含まれる.
主な目的は,以下のことを確実に行うことである.
日常のルーチンワークから距離を置き,状況を客観的に見ることができるようになることも必要である.それは以下のことを行うためである.