道路トンネルのマニュアル

現在地

8.6. 道路利用者と緊急チームのための消火設備

8.6.1. 目標

道路トンネルにおける消火設備の主な目的は、道路利用者、緊急時対応者およびトンネルへの影響を最小限に抑えながらトンネル内の火災を消火するための手段を提供することである。

世界道路協会(PIARC)は、多数の出版物にて道路トンネルにおける火災の消火に必要なシステムを発表してきた。これは主に2つの出版物となっている: 技術レポート05.05.B 1999"道路トンネルにおける火災と煙の制御"技術レポート05.16.B 2007 "道路トンネルにおける火災と煙制御のためのシステム及び機器" 参照。 さらに、これらの問題は、ウィーン(1979)、シドニー(1983)、ブリュッセル(1987)、マラケシュ(2001)で開催された世界道路会議に向けた、いくつかの「委員会報告書」にて特にカバーされている。

道路トンネル内での消火活動に欠かすことができないシステムは、次のとおりである。検出装置、警報装置、無線通信、非常電話、テレビカメラ(CCTV)、拡声放送、水の供給と搬送、固定消火設備、ポータブル消火器や非常時換気。 これらのシステムは、システム間で真に互換性があること、トンネルの消火活動の安全が損なわれていないか、もしくは過剰に提供されていないかの確認を徹底的に注意深く、総合的に行った上で、計画、評価、設計および設置する必要がある。

トンネルの消火システムのこれらの要素の多くは、このマニュアルの他の章で扱われている。 他の章では、次のシステムについて述べている:検出( 火災/煙検知:火と煙の検出目的 )、固定消火設備( 固定消火システム) 、火災警報器( コミュニケーションと警報システム) 、非常電話( 非常電話 )、テレビカメラ( 監視制御およびデータ収集システム(SCADA) )、拡声放送( 拡声放送 )、無線通信( コミュニケーションと警報システム )、非常時換気( 換気 )。

本節で述べるシステムは、道路利用者(運転者)、運営機関および消防隊による道路トンネルの火災消火のために提供されるシステムに関連している。 これらは、給水管(配水管)と消火栓(ホースのバルブ)を介して水を供給するように設計されたシステムおよび道路のトンネル内での携帯用消火器の設置が含まれている。

8.6.2. 水の供給

給水本管、消火管または給水管を含む水供給システムは、(給水栓やホースのバルブを介して)トンネル内で消火用の水を提供するために必要であり、もしトンネル内に固定消火システム( 固定消火システム )が設置してある場合は、固定消火システム用の水を提供する。(参照 レポート05.05.B 1999のVI節.3.3"水の供給" )。 水は、配水システム、若しくは水槽から給水される。システムに必要とされる圧力は、消防隊が必要とする要件と一致しなければならない。

8.6.3. 消火栓

消火栓(ホースバルブ)は、消防隊が消防ホースを接続し、水供給へアクセスするための接続ポイントとして、道路トンネル内で必要とされる。 消火栓は、トンネル内に一定間隔で設置する必要がある。(参照 レポート05.05.B 1999のVI.節3.3"水の供給" )。消火栓の接続は、各自治体の消防隊(複数の場合あり)と互換性がなければならない。

8.6.4. ポータブル消火器

ポータブル消火器は、運転者と運用管理者が消防隊の到着前に、トンネル内で発生した適度な大きさの火災を消火することができるよう、道路トンネル内に一定間隔で設置される(参照 レポート05.05.B 1999のVI.節3.2"消火器"  )。

8.6.5. 消防ホース

消防ホースのリールは、一部の国では道路のトンネル内に設置されているが、これは他の国々では一般的となっていない。というのは、このような国の消防隊は、各現場のトンネルに、自前のホースを持って来ることができるためである(参照 レポート05.05.B 1999のVI.節3.3"給水"

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