道路トンネルのマニュアル

現在地

4.1 運用業務

一般的にトンネルは適切、またはハイレベルな安全性を確保することができる道路ネットワークの一部として考えられている。しかし、特定事象(故障、事故、火災)による潜在的結果は、明かり部に比べてトンネル内の方がより深刻である。さらにトンネルはしばしば通らざるを得ない箇所を横断すること、道路ネットワーク上のボトルネックになり得ることから、トンネル全体、または部分的な通行止めは交通の大障害になり、利用者に長距離の迂回を強いることになる。

これらの理由から、オペレーターと道路管理者はトンネルの運用の継続性と安全性を保証しなければならない。したがって、オペレーターと道路管理者は、トンネルを通過する利用者に対して、効力のある規定された要求に厳密に適合した一定レベルのサービスの質と安全性を保証しなければならない。

国の規定によると、トンネルのオペレーターと交通警察はトンネル内(またはトンネルがあるルート上)の交通の管理をしなくてはいけない。具体的には、トンネル利用者と中で働く人々(オペレーティングスタッフ、下請業者、etc.)の安全性を確保する必要がある。いくつかの国々では、交通警察は交通マネジメントと交通パトロール、オペレーターはトンネルの維持管理、設備の運用、交通の監視、交通のアシスタント等の運用業務に携わる。

一般的にオペレーターの典型的な業務とは、

  • 交通監視とトンネル内設備の運用
    主要なトンネル(トンネルの長さ、交通密度、複雑さの点で)は通常、交通管理センターによって管理される。多くの場合、交通管理センターは遠隔監視システム(監視カメラ、自動交通事象検知システム)が設置されており、換気、信号、トンネルの封鎖等は遠隔操作で行うことができる。
  • 技術的パトロール
    いくつかの場合、オペレーターはトンネル内を巡回することにより利用者を直接監視できるパトロールを派遣することができる。このようなパトロールは緊急時には速やかに介入することができる。
  • 土木構造物のマネジメント
    これは定期的な調査や点検を行うことにより、トンネル内の土木構造物の状態を恒久的に監視することを意味する。また、排水設備や側溝、全ての二次的な構造物(トンネル構内、作業部屋、etc)などの施設の定期的な維持管理も意味する。
  • 設備のマネジメント
    主要なトンネルにおいて、オペレーターは運用段階に自身で操作できるいくつかのタイプの設備を配備する。この目的のため、トンネルには、オペレーターが機器の状態を把握できるシステムが備わっている。オペレーターはトンネル内に設置されている設備の維持管理をしなければならない。この業務の実施には、もちろん、オペレーターを補助するコンピューター化されたツールを活用することも可能である。
  • 緊急事態の管理
    事故の種類に関係なく、交通に関連する問題(事故、多重事故、火災など)であろうと設備に関連する問題(電気供給の停止、データ転送ネットワークの故障など)であろうと、介入することあるいは適切なサービス機関/当局に知らせるあるいは出動してもらうことは、監視を担当するオペレーターの基本義務である。
  • 技術的経営的管理
    トンネル運用に直接関係した業務に加えて、オペレーターはインフラや人員の管理を支援する技術的かつ経営的サービスも提供する。オペレーターは機器の改善の設計、業務の指示、トンネルが適切に機能するための投資や運用予算にも対応する。最後に、オペレーターはトンネル/ルートに関する運営上の定期的な報告(経済指標、交通指標など)を準備することにより、統計をとり、自らの目的の達成状況を監視することも行う。

技術レポート05.13.B ”道路トンネルの保守管理のためのグッドプラクティス”の パート2と4でこの主題を扱う。

Reference sources

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